頭に入らないオーディブルを9ヶ月続けたら、毎月3冊、本を買うようになった

私はAudible(オーディブル)で聴いた本の内容を、人に説明できません。9ヶ月間、毎日歩きながら聴いてきて、その結果がこれです。同じところで引っかかって検索された方もいるかと思います。

原因は、覚える力ではありませんでした。

足りなかったのは、思い出す練習のほうです。それが分かったいまも、私は解約していませんし、聴き方も変えてもいません。ぜひ、オーディブルの上手な使い方の参考にしていただけると嬉しいです。

804時間聴いても内容を何も説明することが出来なかった

Audibleのアプリには、累計のリスニング時間が表示されます。私の累計は804時間25分でした。日数に直すと33日半ですから、寝ないで聴き続けたとしても、ひと月とすこしかかる長さです。直近4.6ヶ月の再生履歴を数えたら50冊ありました。良かった本はほとんど2周するので、量だけなら、それなりに聴いているほうだと思います。月額1,500円ですから、元だけは十分すぎるほど取っている計算になります。

では、その804時間のうち、中身を説明できる本が何冊あるのか。…ゼロでした。あるとき、聴き終えた本について、どんなことが言われていたかを自分で確認してみたんです。全然出てきませんでした。

タイトルは言えます。良かった、という感想も残っています。それなのに、じゃあ具体的に何の話だったのかと自分に問うと、その先の言葉が続きません。おまけに紙の本と違って、ぱらぱらめくって確かめるということができません。見直すことが面倒で、どうすることも出来ませんでした。

似たことは、2周目にも起きます。良かった本をもう1周聴いていると、途中で「あれ、こんなこと言ってたっけ」となるんです。1周まるごと聴いたはずの本から、初めて聞く話が出てくる。どの本でそうなったのかと聞かれると、忘れました。すみません。ただ、『巨富を築く思考法』でも思った気がします。

この記事にたどり着いた方も、近いところにいるのだと思います。聴けてはいる。むしろ、ちゃんと続いている。それなのに、あとから確認すると出てこない。もしそうなら、原因はたぶん私と同じです。

全部歩きながらで、座って聴いた時間はゼロ

1日の聴取時間は、およそ1時間10分です。内訳は、朝のウォーキングで45分から50分、通勤で歩く15分、退勤で歩く15分。つまり全部、歩きながら聴いています。朝の45分でその日のほとんどを聴いて、通勤と退勤の15分ずつで続きを聴く流れです。家で椅子に座って、じっくり腰を据えて聴く。そういう聴き方をする方もいると思いますが、私はこの9ヶ月で一度もしたことがありません。再生ボタンを押すのは、歩いているときだけです。

朝の散歩は45分、雨の日以外は毎日で、1日1万歩です。朝は5時に起きています。書いていて健康番組のようになってきましたが、散歩や早起きが体にいいという話をしたいわけではありません。私の生活がこうなっている、という事実だけです。

気になったところで止めて巻き戻すとか、メモを取るとか、そういう聴き方もしていません。歩いているので、しないというより、する体勢にないんです。45分散歩して聞き流してるんだよ、どの位置かなんて覚えてないでしょ、というのが正直なところです。

だから、いい話が出てきたなと思っても、それが本のどのあたりだったのかが分かりません。あとから確かめたくても、確認する方法はもう一度同じところを聴くことだけで、その「同じところ」がどこなのかが、まず分からない。聞き流している自覚はあるんです。ないのは、聞き流した中身のほうです。

それでも解約は一度も考えていない

こう書いてくると、解約寸前の人の記事に見えるかもしれません。逆です。解約を考えたことは、今のところ一度もありません。聴き続けること自体に不満はなくて、困っていたのは、聴いたあとの話だけでした。

ただ、実は一度やめています。2020年1月に、30日の無料体験でオーディブルを始めました。体験が終わるとき、続けるかどうかを考えて、「1,500円払うまでもない」と思ってやめました。そこから5年近く、オーディブルには触れていません。いま振り返ると、あのときは聴く時間がない生活に、オーディブルだけをぽんと置いた形でした。聴くための時間がどこにもなかったのだから、続かなかったのも当然だったと思います。

再開は2025年11月です。ここに至る話は、オーディブルではなく散歩から始まります。2024年ごろ、何もしていない自分に気づきました。自分の時間が作れていなかったんです。とにかく習慣化することが大事だと気づいて、殻を破ろうと決めて、朝の散歩を始めました。雨の日以外は毎日歩くと決めて、それが続きました。

その散歩が1年ほど続いたころ、45分の散歩時間にオーディブルを聞きながら歩いてみようと思い、始めてみました。2020年と順番が逆です。1回目は、聴く時間がないところにオーディブルだけを始めました。2回目は、先に歩く時間があって、そこに聴くことがあとから入ってきました。続いた理由をひとつ挙げるなら、この順番だと思います。

以来、リスニングは40週途切れていません。2025年11月10日からで、私の過去最高です。数字だけは立派なんです。中身が出てこないという話を、さっきしたばかりなのに。

つまりいまの私は、覚えていないと分かっていながら、月額1,500円を払って、40週聴き続けていることになります。5年前に、払うまでもないと思ってやめた、同じサービスにです。オーディブルの側が5年で変わったからではなくて、変わったのは私の朝のほうでした。

原因は、覚える力ではなかった

転機は2026年3月ごろです。YouTubeで勉強法の動画を見ていて、安川康介さんという方の本が出ていることを知りました。私には、本の存在を知ると、書店に行くより先にオーディブルで検索してみる習慣があります。あれば、ダウンロードして次の散歩で聴く。読みたい本ができたら、まず耳から入るのが私の順番です。

『科学的根拠に基づく最高の勉強法』。聴いてみたら、すごく良かったんです。どのくらい良かったかというと、804時間の中で5回聴いた本は、後にも先にもこの1冊だけです。良かった本でも普段は2周で終わるので、私の中では別格の扱いということになります。紙の本も購入しました。

この本で、アクティブリコールという方法を知りました。名前は仰々しいのですが、中身はただの「思い出す作業」です。本を読み返して覚えようとするのではなく、本を閉じて、何が書いてあったかを自力で思い出す。思い出せるかどうかを自分で試してみる、と言ってもいいと思います。それだけのことです。

それだけのことなのに、自分の804時間に当てはめてみて、気づいてしまいました。私は、インプットしかしていなかったんです。聴いて、良ければもう1周聴いて、それで終わりでした。本を閉じて思い出すことにあたる時間は、どこにもありませんでした。

中身が出てこなかったのは、覚える力の問題ではなくて、思い出す練習をしていなかったからでした。

ここで白状しておくと、2026年1月の時点で、私はこのブログにこう書いていました。1回で分かろうとしない。忘れてもいい。面白ければまた聴けばいい。

いま読み返しても、続けるための考え方としては、これでいいと思っています。ただ、1月の私は「忘れてもいい」で止まっていて、忘れたものをあとからどうするかまでは考えていませんでした。3月に安川さんの本に出会って、覚えたい本には思い出す練習が要る、へ考えが変わりました。忘れてもいい、は今でもそう感じています。そこに、忘れたままにしたくない本のやり方がひとつ足された、ということです。矛盾ではなくて、考えが変わった記録として、1月の記事はそのまま残しておきます。

紙でやってみたら書けた。ただし脳みそを使った

方法を知ってから、東京出張の折に、東京駅の丸善に行ってみました。店内の検索端末に、私は「アクティブリコール」と打ち込みました。書名でもなく、著者名でもなく、勉強法の名前で検索して本を探したわけです。それで出てきた西岡壱誠さんの『なぜ勉強すればするほど頭が悪くなるのか?』を買って帰りました。

そして読了後、アクティブリコールの方法に沿って、白紙に読んだ内容を書き出すということを実践してみました。で、書けたのかというと、書けましたよ。ただ、思い出すのに非常に脳みそを使った感じがしました。

いまは毎日、朝5分と夜5分、白紙に書き出しています。朝は昨日読んだ分の復習、夜は今日読んだ分の復習です。やり方の説明はこれで全部で、本当にこれだけです。

対象は紙で読んだ本で、オーディブルの本ではやっていません。オーディブルでやってみてもいいのですが、復習がしづらいんです。書き出したあとに、合っているかを確かめようとすると、もう一度同じところを聞くしか方法がありません。

その「同じところ」が見つからないのは、前述した通りです。紙なら、ページを開けば答え合わせができます。この差があるので、いまのところ紙の本だけでやっています。毎日続けてみて何が起きたかは、記事がひとつ書けるくらいの分量になったので、別に分けました。

いまの使い分け。オーディブルは聞き流したままでいい

使い分けは単純です。オーディブルは、これまでどおり歩きながら聞き流します。忘れてもいいし、面白ければもう1周聴く。そのなかで、すごく良い内容だから何度も読んでみたいと感じた本に出会ったら、その本を買います。思い出す練習は、紙のほうでやる。オーディブルに、覚える仕事をさせるのはやめました。

聴いたことがきっかけで、紙の本を買ったのがいまのところ3冊あります。安川康介さんの本と、丸善で買った西岡壱誠さんの本と、『羽柴秀長の生涯』です。この3冊が、いまのところ何度も読んでみたいと感じた本ということになります。それから、オーディブルを始めてから、毎月3冊以上、本を買うようになりました。今年、紙で読んだ本は、Amazonの購入履歴に残っているだけで17冊あります。

5年前の私は、オーディブルに1,500円払うまでもないと思っていました。いまも、聴いた本の中身をすらすら説明できるようになったわけではありません。それでも、聴いたおかげで買った本が3冊あって、今年は17冊読んでいます。聴いても頭に入らないはずのオーディブルが、紙の読書の入口になっているわけです。解約する理由は、いまのところ見当たりません。

「オーディブル 頭に入らない」と検索してこのページに来た方に、偉そうなことは言えません。私自身、804時間聴いて、この有様ですから。ただひとつ、出てこないのを自分の覚える力のせいにするのはお門違いだ、ということだけは言えます。私に足りなかったのは能力ではなくて、思い出す練習でした。そしてその練習は、オーディブルの中で無理にやらなくてもよかったのです。

だから、解約はしなくていいというのが私の答えです。聞き流しは、聞き流しのまま続けて構わない。覚えたい本に出会ったときだけ、その本を買って、そちらで思い出す。耳と紙で役割がぶつからないので、私の場合はどちらも続いています。この形に落ち着いて、今日も歩きながら聴いています。

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よくある質問

聴き流しでも意味はありますか

私の場合、聴いた内容をそのまま覚えることはできませんでした。内容を覚えるという意味では、役に立っていません。ただ、聴いたのがきっかけで紙の本を3冊買っていて、今年は17冊読んでいます。次に読む本が見つかるので、いまはそのつもりで使っています。

オーディブルのデメリットは何ですか

私が困ったのは1つだけで、あとから見直せないことです。紙ならページをめくって確かめられますが、音声だと、もう一度同じところを聴くしか方法がありません。歩きながら聞き流しているので、その「同じところ」がどこなのかも分かりません。

集中して聴けないのですが、続きますか

私は9ヶ月のあいだ、腰を据えて聴いた時間が一度もありません。全部、歩きながらです。それでも40週続いています。集中して聴く時間を作れないから続かない、ということは、私には起きませんでした。

解約したほうがいいですか

私は解約を考えたことが一度もありません。2020年に一度やめていますが、あのときは聴く時間がない生活に、オーディブルだけを足した形でした。いまは朝の散歩の45分があって、そこで聴いています。

聴いた内容を覚えるにはどうすればいいですか

本を閉じて、白紙に思い出して書き出すアクティブリコールという方法があります。私は朝5分と夜5分やっています。ただし、やっているのは紙で読んだ本だけです。オーディブルの本でやると、書いたことが合っているかを確かめられないので、いまのところ手を出していません。

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